孤高と孤独

やっと読んだぜ！

下妻物語―ヤンキーちゃんとロリータちゃん (小学館文庫)

最近の私は嶽本野ばらにぞっこんなのであります。『鱗姫』で衝撃を受けて以来、堂々と「野ばらちゃん好きの人間」を公言している私なのです。とは言っても読むのは『エミリー』に続き3作目。多くを語るのは止めておきませう。

茨城県の田舎町・下妻を舞台に繰り広げられるロリータ少女とヤンキー少女の青春物語。なんだかもう中身は「どう転んでも苦笑い程度」の笑いばかりであって、ここまでやってくれるとグッとくるものがある。特攻服の背中に「御意見無様」と刺繍が入ってる、なんてサイコーでしょ。
野ばら作品ってすごく耽美的で、それ故にたぶん読者の好き嫌いってけっこう分かれそうなのだけれども、『下妻物語』はとても読みやすい。映画はまだ観ていないんだがきっとこれもまた素敵な作品に完成しているのであろう。

いい。すごくいい。

彼の物語を読み解くキーワードは、異端であることの孤高と、それ故の孤独。
（解説より）